私(しば)の母の病名を人に言うと、反応は、ほとんど同じです。
「え、海老?ベビー?正体って??・・へぇ〜。初めて聞いた・・」
これは、眼科医からも言われました。
では、”誰も知らない”「レビー小体型認知症」とは、一体何でしょう?
この病気を発見した小阪憲司医師の著書(2012年発行の「第二の認知症」と2010年発行の「レビー小体型認知症の介護がわかるガイドブック」)から引用します。
1. レビー小体型認知症とは?
レビー小体という丸い物質(主成分は、アルファシヌクレインというたんぱく質)が、脳や全身の神経に現われる変性性の認知症です。(「第二の認知症」P.58)
注byしば)「変性性」とは、アルツハイマー型と同様に脳の神経細胞の「変化により起こる」という意味です。
(レビー小体が主に脳幹に現われるとパーキンソン病になります。上述の「ガイドブック」P.15)
2. いつ発見された病気でしょう?正しい病名は?
小坂憲司医師が1976年に発見。80年代に世界で症例が報告されるようになり、96年にこの病名に決定。(「第二の認知症」P.62〜P.64)
追記:しかし認知症状のない例もありレビー小体病などに病名を変更した方が良いという議論もあります。(「レビー小体型認知症研究会」公式サイト)
3. 全国に何人の患者がいるのでしょう?
国内に64万人の患者がいると推計されます。
極めて頻度が高い認知症であるにもかかわらず(略)誤診されたり、適切な治療が行われずに苦しんでいる人やその家族が少なくありません。
(「第二の認知症」P.2)
この病気を知らない医師がまだ多いため、圧倒的多数は、正しく診断されずにいます。(「第二の認知症」P.206)
4. どんな病気と誤診されやすいのでしょう?
アルツハイマー型認知症、うつ病、統合失調症、老年期精神病、
進行性核上性麻痺(PSP)、大脳皮質基底核変性症、前頭側頭型認知症(ピック病)。
(パーキンソン病もだが、厳密な意味では誤診とは言えない。)(「第二の認知症」P.120〜121)
自律神経症状から始まり、シャイ・ドレーガー症候群と診断される例も少なくない。(小阪憲司・羽田野政治著「レビー小体型認知症の介護がわかるガイドブック」P.67)
5. 誤診されるとどんな問題が起こるのでしょう?
この病気の特徴である「薬剤過敏性」のために、処方された薬が症状を悪化させたり、新たな問題を発生させたりすることが少なくありません。(「第二の認知症」P.92〜94)
それを避けるためにも まず症状をよく知りましょう!
次回からは、症状について書いていきます。
<参考>
*「レビー小体型認知症の診断基準」(医師はどの症状を重視するのか)