ちょっと長いですが、最重要項目ですので、最後までお付き合い下さいね。
<レビー小体型認知症の症状は、多種多様かつ個人差が非常に大きい>
『レビー小体は、脳内だけでなく全身の自律神経(心臓、胃、腸、皮膚など)に現われ、それが自律神経症状(自律神経障害)を起こす(レビー小体型認知症の発見者小坂憲司著「第二の認知症」P.88)』ことも一因です。
症状の知識がなければ理解できないことが、次々と起こるのですが、医療や介護に携わる方にも正確な知識が浸透していないのが現状です。
『レビー小体型認知症の人は日本に少なくとも64万人以上いるとの推計があるが、そのうちの圧倒的多数はそうと診断されずにいる人たちである。つまり”潜在者”が大部分を占めている。いうまでもなくその理由は、この病気を知らない医師がまだ多いからだ。(「第二の認知症」P.206。 原文通り)』
誤診や処方薬による悪化等をなくすには、症状の知識が必須です。
以下の7項目は、小阪憲司医師の著書2冊から抜粋した症状の詳しい説明です。(出典:1.「第二の認知症 増えるレビー小体型認知症の今」’12年発行
2.「レビー小体型認知症の介護がわかるガイドブック」’10年発行)
<レビー小体型認知症の症状一覧 リンク集(症状をクリック)>
*薬剤過敏性(レビー特有。認知症薬や抗鬱剤で悪化し分かる例も多い)
*幻視(幻覚)の種類と特徴(人、動物、虫等。特有の錯覚や思い込みも)
*パーキンソン症状(スキー姿勢の小股歩行。何をするにも時間がかかる)
*自律神経症状(障害) (更年期障害に似た症状。頻尿、失神、微熱等も)
*認知障害/うつ (記憶力より注意力・やる気の低下など様々な症状)
*レム睡眠行動障害/せん妄 (大きな寝言・悪夢で叫ぶ。異常な言動)
*認知の変動/過眠(しっかりしている時と反応がにぶい時の差が激しい)
注)症状の出方(出る順番、程度等)には、非常に大きな個人差があります。
3大症状である幻視やパーキンソン症状がまったく出ない方もいます。
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●以下は、本の引用ではなく、私たち介護家族に共通する経験談です。
< 非常に多い「過った診断と治療の例」 >
●パーキンソン病と診断。知能テスト(長谷川式)や脳の画像(CT,MRI)に特に異常はなく「認知症ではない」と言われた。
●アルツハイマー病、単に「認知症」、うつ病と診断後、治療を始めた途端、怒りっぽくなる/体の動きが悪くなる/反応がにぶくなる等、様々な問題が起こった。薬を増量すると更に悪化し寝たきりに。
<幻視(幻覚)に関する注意点 >(byしば)
幻視は、本物とまったく同じに見えます。(透けない。鮮明。カラー。立体。動き回る。)そのため本人は、見える時間が短ければ「目の錯覚」、ずっと見えていれば「本物」と思っています。(病気の自覚がない場合)
「○○が居る」は、ボケているのではなく、本人には、疑いようもない現実そのものとして確かにくっきりと見えているのです。
頭ごなしの否定は、混乱、悲しみ、孤独感、猜疑心を生むだけです。
初期には、目の前で消えて初めて幻視と気付く場合がありますが、異常な人と思われることを怖れて隠す場合もあります。医師に「何か見えますか?」と聞かれても、否定したり、幻視を訴えないことも多いようです。
家族から見ると:妙な動きをします。(見えない何かをつまむ、つぶす、払う、引っ張る等)。見えない何かに話し掛けます。
ブツブツ独り言を言っているように見えます。
普段はしっかりしているのに急におかしなことを言うことがあります。
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